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  • 個人事業者の消費税(原則課税)の入力整理のポイント

    消費税は平成元年に導入され、おおよそ30年以上経過しました。その間、税率の上昇と改正が続き、複雑な税金として認知されているのではないでしょうか。一般的には、納税義務者が預かった消費税から支払った消費税を差し引いて納税すると説明されています。一方で、売上入金のあった消費税部分を消費税の納税資金として預かっているとして事業全体の資金繰りを考えるのも難しいことです。

    ここでは、国税庁の確定申告作成コーナーで作成すればインボイス特例や個別対応か比例配分の有利判定もできるようになっているので整理していきます。

    ① 収入と支出に使用する科目を決め、その都度集計していく。
    ② 消費税が課されるか確認する。
    ③ 税率と支払先がインボイス登録者か確認する。
    ④ 支出がどの収入に対するか確認する。 

    ①~④について会計ソフトに入力している方は、丁寧に消費税課税区分を適用していけば自動的に集計して、最後に消費税の税率や区分表を使用すれば数値を入力すればいいだけになります。

    一方エクセル等で別管理している方は、収入については非課税売上か課税売上の10%あるいは8%、支出については消費税がかかっていないか、かかっているなら10%か8%か、次にインボイス登録者か否か、最後に非課税売上に対応するものか、課税売上に対応するものか、その両方の課税売上に対応するものかを区分していきます。

    例えば、不動産貸付業者が更新時、(1)店舗責任者とインボイス登録していない喫茶店で3300円でお茶をしたとき、(2)マンションの居住者にインボイス登録している飲食のお中元3240円を手渡ししたときは、
    (1)交際費・課税10%・インボイス登録者以外・課税売上対応
    (2)交際費・課税8%・インボイス登録者・非課税売上対応
    となります。
    *確定申告書作成コーナーでは、インボイス登録者以外は免税事業者等取引分と表記されています。

    特に同じ科目でも、上記②・③・④と振り分けて整理しておくと決算時入力しやすくなります。消費税は税率だけでなく、「どの売上に対応する支出か」まで整理すると、消費税の計算構造の理解と申告書作成が楽になってきます。



  • マンション区分所有貸付事業を法人成りできるか?

    個人事業から法人成りする理由に、利益に対する個人と法人の税率の差があります。この方法は合法的で、法人化したのち、利益を個人と法人に上手く分散させれば成立します。

    一方で不動産貸付業の場合、個人の建物を法人に未償却残高で譲渡し、土地は個人名義のまま法人に貸す方法があります。土地も法人名義にすると、時価で譲渡することになります。法人に資金力=資金調達ができない場合や、近年の土地の高騰もありますので、なかなか難しいケースの方が多いと思います。

    マンション一棟を持っている場合と敷地権付き区分所有マンションを持っている場合、前者は上記方法は可能になってきますが、後者の場合は土地も法人に譲渡しなければいけません。

    区分所有法では、建物は専有部分の権利と、土地はその専有部分に対する敷地利用権と定義し、敷地利用権は専有部分と一体化した権利であり、原則として分離して処分することはできないと定められています。また、名義変更を行う際には、専有部分のみ移転し、敷地利用権を個人名義のまま残すことは、原則として認められていません。

    つまり、敷地権付き区分所有マンションでは、区分所有法上、専有部分と敷地利用権は原則として分離処分ができないため、建物だけを法人名義にし、土地=敷地利用権を個人名義のままにする方法は、通常採ることはできません。ただし、マンション管理規約や登記状況によっては例外となるケースもあります。

    不動産貸付業でも法人成りは多く行われますが、物件の種類によっては、希望する名義変更の方法が法的に可能かどうかを事前に整理することが重要です。

  • 税金の税率ってどうなっているの?

    支払う税金がいくらになるか決める要素の一つが税率です。税率は毎年変わるわけではないので自分がいくら支払うか予測がつきます。

    個人事業者が法人成りする理由の一つに個人=所得税と法人=法人税の税率の差があります。個人事業者が一定以上の利益がある場合に法人成りすることによって納税資金を抑えることができるからです。同じように贈与税と相続税についても税率の差があります。

    一般的に贈与税の非課税枠110万円はよく知られているところですが、贈与税と相続税の税率までは知られていないのではないでしょうか。

    贈与税率は0円から4500万円の間で段階的に税率が上昇していきますが、相続税率は0円から6億円の間で段階的に税率が上昇していきます。

    親が3000万円のマンション一室を子に贈与する場合、贈与税は1250万円します。一方でそのマンション一室を相続した場合、相続税は0円になりますので相続した方が有利になります。贈与税1250万円支払っても贈与した方が有利になるケースは親がマンション一室以外に3億円以上の財産があった場合です。

    6億円を超えない限り同率で金額が交わることがはないので、金額で有利不利を判断するときは、相続財産を整理して税率を把握しておかなければいけません。

    一方、法人成りして法人が支払う納税は23%から37%ほどになります。個人の場合は0円から4000万円の間で段階的に税率が上昇していき税率は最高60%になります。この税率には利益に伴い派生する事業税や住民税も含まれます。

    法人と個人の税率は450万円ほどが分岐点でこれを超えると法人税率の方が有利になり、さらに450万円を役員報酬に付け替えると給与所得控除の恩恵により個人の納税額は低くなります。しかしこの恩恵も控除限度額が縮小され、1000万円を超えると法人の納税が有利になります。例えば、法人に1000万円の利益があれば500万円を法人に、残りの500万円を個人に分散すると構造と税率から全体で見た場合の納税が低くなります。ですので、法人と個人の資金繰りのバランスからシュミレーションするケースが多く一様ではありません。

    特に法人と個人を分ける要素には税率の他にも、税法そのもの、考え方が全く異なる点があります。法人税法は常に利益を追求する考え方に基づいています。また、法人と個人は全く異なる主体ですので、個人がその法人の株主で経営権をもっていても区別して考える必要があります。

  • 放置された会社はどうする?

    会社は設立したまま放置していても、自動的に消滅するわけではありません。

    株式会社は、最後の登記から12年経過すると法務局にみなし解散の登記がされます。さらに10年放置すると、登記簿は閉鎖されます。

    ただし、みなし解散や閉鎖登記は形式的なものであり、会社が直ちに消滅するわけではありません。実質的に清算会社として存在していることになります。

    通常の解散では、
     ・解散決議
     ・解散及び清算人の登記
     ・資産と負債の整理と株主への分配  
    ・税務申告
     ・清算結了登記
    を経て会社は消滅します。

    問題になるのは、そのまま長年放置されている間の相続が発生した場合です。

    まず確認したいのは、過去の申告書や決算書が残っているかどうかです。

    そして、
     ・預金
     ・不動産
     ・有価証券
     ・売掛金
    などの資産や、
     ・借入金
     ・未払金
     ・買掛金
    などの負債が、現在どのような状態にあるのかを確認する必要があります。

    相続税評価は、単に古い決算書の数字をみるのではなく、実際に何が残っているかという実態が重要になります。

    長年放置された会社ほど、帳簿上の数字と実態が大きく異なることがあり、相続時には慎重な確認が必要です。

  • 自宅の相続どうする?

    近年は地価上昇の影響もあり、都市部では自宅の土地評価が思った以上に高くなるケースが増えています。このようなケースでは相続税の申告や納税が必要になることがあります。

    相続人が一人であるなら、自宅の相続はその相続人が取得しますので特に問題になることは少ないのですが、複数の相続人がいる場合は判断が必要になってきます。

    例えば、自宅に相続人が同居していたケース。この場合はその相続人が自宅を相続することで小規模宅地の特例を使い、他の相続人との公平性も考慮して遺産分割協議書で整理することができます。

    問題になるのは、相続人それぞれが別に生活の基盤を持っている場合です。自宅を実際に使用する予定があれば、セカンドハウスや賃貸として維持する選択になる一方で、使用予定がなく、維持管理の負担が大きい場合には、売却を検討するケースもあります。

    次にその自宅をどのように相続するかの判断です。複数の相続人がいる場合、単独名義で相続する方法、あるいは相続人の共有名義にする方法がありますが、共有は次の相続により権利者が増える傾向にあるため、責任の所在が曖昧になり単独で意思決定できない欠点が生じてきます。

    将来の管理や意思決定まで考えると、単独名義で相続した方が整理しやすいケースも多くある一方、相続人間で将来売却が決まっている場合は共有名義を選択するケースもあります。

  • 会社への貸付を放置したらどうなる?

    会社を経営し、会社に資金を貸し付けているケースは珍しくありません。会社からの借入と異なり課税されないため、そのまま放置されることも多くあります。

    この貸付金は相続発生時、会社に対する債権として、帳簿金額が相続財産に含まれます。

    事業を長く行っている場合、貸付金が数千万円から億単位に膨らんでいることもあり、相続が発生したとき、想定よりも大きな課税・納税負担が発生するケースがあります。そういった想定外を極力なくすため、事前に会社の借入債務を把握しておく必要があります。

    返済は元金の返済ですので経費にならないことを踏まえ、会社の通常の資金繰りに影響してきますので、実際返済できるかどうかも重要な判断になります。一方で返済が困難な場合でも帳簿上は債権として残るため、実態に応じた整理と対応が必要になります。解消方法としては以下があります。

    • 欠損金との相殺
    • 代物弁済(不動産など)
    • 資本金への振替
    • 債権の贈与

    いずれも税務上の論点が発生するため慎重な検討が必要です。特に、株主構成や会社の資産・財務状況、承継する相続人や方法など、全体を整理したうえで判断することが重要になります。

  • うちは相続税かかる?

    相続が起きた際、うちは相続税を払わなければいけないか?そこが気になる方は多いと思います。

    相続は財産の承継です。相続税が発生するかは、まず財産が全部でいくらか、次に相続人が何人いるかで決まってきます。

    つまり、
    3000万円
    +
    600万円×相続人の数
    を超える財産がある場合に、
    申告と納税が必要になる可能性があります。

    財産がどのくらいあるかというのは預金であるなら分かりやすいかもしれません。一方で、自宅といった不動産の場合は財産価値をご自身で調べなければいけません。建物については固定資産税評価額ですので分かりやすいと思いますが、土地については国税庁が公表している路線価を使用します。例えば、自宅の前の路線価が1㎡40万円、敷地面積が100㎡ですと4000万円が自宅の土地の金額になります。
    路線価は国土交通省が公表する公示価格をもとに決められますので毎年変わります。近年は上昇しているため国税庁で確認する必要があります。また、土地はその形状やその他の要因により単純に路線価に面積をかければいいものではなく、増額や減額もしますのでご注意下さい。

    次に財産から引く金額の基礎になる相続人の数についてですが、財産を相続する権利がある人をいいます。
    相続人には順位があります。
    配偶者は常に相続人となり、
    その上で、
    第一順位は子、
    第二順位は父母、
    第三順位は兄弟姉妹になります。
    つまり、子及び父母もいない場合は、配偶者と兄妹が相続人になり600万円×3人=1800万円、配偶者が他界していたときは兄妹が相続人になり600万円×2人=1200万円になります。

    実際には、土地評価や相続人の範囲によって判断が変わることもありますので、判断に迷う場合は、早めに整理しておくことが重要です。